事案

事件の概要

日時:2019年7月29日(月)午後9時50分~10時40分頃
場所:東京都内
概要:マッチングアプリで出会った相手との2回目のアポにおいて、アポ相手である第二当事者に対しホテルへの搬送を試みたが、未遂に終わった。

当事者の情報

(第一当事者)
氏名: W
年齢: 25歳
職業: 会社員
指数: 5

(第二当事者)
氏名: A
年齢: 25歳
職業: 医療関係
指数: 6

当日の情報

当日の睡眠時間: 約6時間
シチュエーション: 仕事帰り(第一当事者)/休日(次の日も休日)(第二当事者)

前回アポが初回アポであり、昼前に待ち合わせをしてカフェ→ドライブ→花火デートを遂行。花火を見ながら手を繋ぎ、帰りの車で良い雰囲気になり行為一歩手前まで及んだ。このため、Wは今回こそ狙おうと思った。

気象等の状況

本事件が発生した時点における、最寄りの観測所における状況は、次の通りである。

観測所 時刻 気温 風向 風速 湿度
東京管区気象台 22時 27.1℃ 南南東 1.3m/s 93%


降雨などは特になかったが、蒸し暑い気候であった。

第一当事者の供述 

この日は、前回アポをした第二当事者(以下Aとする)との2回目のアポであった。
Aとは前回アポで食いつきが良く、行為一歩手前程度(上半身を脱がす)*1の過去最高の進捗度を達成していた。また、Wからは「もっと一緒にいたい」旨のラインのメッセージも届いたことから、第一当事者(以下Wとする)は次回その続きをしようと心躍らせていた。
早くも前回アポの2日後に予定が決まり、カフェに立ち寄ってから映画を見て、終電までホテルで過ごす作戦を立てていた。

ルート選択は、18時に都内某所の駅に集合し、映画館に立ち寄り、チケットを購入してから開演時間の30分前までカフェで過ごす。それから映画を観覧し、Aの反応次第で車でドライブするか、ホテルに行こうと考えていた。

 前回のアポ時間が長くAと打ち解けていたこともあり、普段よりは気楽に考えていたが、今回は行為をしないと...という思いが頭を巡っていた。

 18時前に集合場所に集合し、Aと手を繋いで映画館に行き、チケットを購入した。
予定通りカフェに行き、談笑中にAから「この前は勢いに乗りすぎた。何人か会ってみて、この人がいいなと思った人と続きがしたい」と伝えられ、暗雲が立ち込めた。
これは計画倒れになるのではないか、と自分の頭の中で危惧した。

 予定通り映画館に向かい、21時50分頃に映画館を後にした。映画のジャンルがロマンスものだったこともあり、このままホテルへ誘導しようかと思いを巡らせていたが、Aから「今日は帰る。駅へ行こう」と言われてしまった。
それでも千載一遇のチャンスを逃さまいと思い、妥協案としてWは「駅の方向へ散歩しよう」と伝えて一旦駅へ向かった。

 当然駅にまっすぐ向かうわけではなく、駅の近くにある近年開発されたであろう屋上庭園に行き、2人で座った。
ここでありとあらゆる手法を用いて崩そうと試みたが、悉く失敗に終わった。
仕方なく「とりあえず歩こう」と伝え、それとなくホテル街へ向かおうと試みたが、またもや途中で雰囲気を察知されやむなく健全解散となった。

 前回は行為の一歩手前まで遂行しており、今回はミッションコンプリートだとニヤニヤしていた自分に失望した。

 第二当事者の供述

前回アポではWともっと一緒にいたいと思ったこともあり、断り切れずに雰囲気に流されてしまった。しかし翌日冷静になって考えると、付き合ってもいない相手とディープキスしたり胸を吸われたりするのは早いと感じた。何人か会ってみて、本当にこの人がいいなと感じた相手と続きをしたいと思った。

当日はカフェに行って映画を見て解散するつもりで考えており、その後ホテルに行くなど全くの想定外であった。

Wのことは誠実で信頼でき、一緒にいて落ち着く相手だと考えており、またヤリモクではなくもっと関係を深めたいために誘っていることは十分認識しているが、関係を持つのはさすがにまだ早いと思った。他の人に会った上でそれでも良いなと思った相手でない限り、身を任せることは当然できないと考えた。

状況

前回と異なりさほど食いつきがあるわけではなく、手を繋いだことを除けば終始ごく普通の2回目のアポの雰囲気であった。
Wは「前回は行為一歩手前まで行けたし、今回は行為に持ち込めると思った」と供述しているが、当日の雰囲気やいきさつを考慮するとやや無理があったと考えられる。

解析

複数の要因が考えられるが、大きいものは以下3つである。


①そもそものプランの誤り
映画を見ることそのもので食いつきを上げる効果は少なく、終了時刻が22時前と帰宅するにはちょうど良い時間である。
そこから雰囲気を作り、ホテル打診をすると宿泊コースとなってしまう。映画が終わるのが20~21時であれば時間的余裕もあり、可能性はあったのではなかろうか。

②映画終了後の向かった方向のミス
映画館を後にしたあと、Aの主張に従いWは駅の方向に向かった。しかしこれは結果としてAが帰りやすくなる効果をもたらしてしまった。
もしここでまっすぐホテル街へ向かい(この方向にも駅はあった)、ホテルの前まで来て言葉巧みに誘えば、無事遂行できた可能性があったと推測される。

③女性の気持ちの変化を読み取れなかった
前回アポで行為一歩手前まで及ぶことができた大きな要因の一つとして、Aがその場の雰囲気に流されたことが挙げられる。しかし今回はその時のことを一旦頭を冷やして考えてからのアポということもあり、普段よりガードが固くなっていた。しかし、Wはこれを読み取ることができなかった。
もっとも、ラインの文章では前回と同等以上の食いつきがあったとWは主張しており、事前に予見することは難しかったとの意見もある。

結論

Wは、前回アポでの急展開と行為一歩手前まで進めた高揚感もあり、Aを誘おうとした。しかし、行為の経験が少なく女性に慣れていないWは、経験不足から戦略に詰めの甘さが生じたほか、女性の気持ちを考慮した打診と落とし方がわからず、結果として失敗に終わったと考えられる。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:Aが女の子の日であったため、行為はできなかった。

すり抜け走行のコツ

1. 注意

まずはじめに断っておきますが、この記事は危険なすり抜け走行を助長するものではありません。

すり抜け走行は危険な行為です。ざっと挙げるだけでも、以下のようなリスクがあります。

・四輪車の急な車線変更に巻き込まれ転倒。

・四輪車が幅寄せし、巻き込まれ転倒。

・いわゆるサンキュー事故。

・すり抜けしようとして割り込んだ他の二輪車との事故。

すり抜け走行による事故には、死亡事故となった事故もあります(例:神奈川県川崎市で発生した、トラックとタンクローリーの間をすり抜けようとして転倒し巻き込まれた事故)。

 

すり抜けは危険と引き換えに時間を短縮する行為です。安全第一のライダーであれば、すり抜けは控えるべきです。リスクが大きすぎます。

 

それでもすり抜けがしたい方は、お読みください。

2. まえがき

時間勝負の通勤ライダーにとっては、すり抜けは必須と言っても過言ではありません。

しかしネット上では「すり抜けはしない」という言論が優勢であり、すり抜け方法に関する内容を記したサイトは事実上タブーなのかわかりませんがほぼ皆無です。そのためか、安全なすり抜けの方法がわからないというライダーの方も多いと思われます。

朝忙しく時間勝負の通勤ライダー、すり抜けをして時短したいライダー、高速の渋滞を無事にすり抜けたいライダー等、「安全かつ効率的にすり抜けたい」ライダー全員にこの記事を捧げます。

筆者は朝晩の通勤渋滞、市街地走行、片側2~3車線の道路、工事渋滞、事故渋滞、高速道路のすり抜け等でこれまでに約1万回以上のすり抜けを経験しました。その経験をもとに、すり抜け走行のコツを伝授致します。

 

3. すり抜け走行の心構え

すり抜け走行をするライダーに必要な心構えを解説します。以下4点です。

・無理をしない

すり抜け走行は危険なものです。よって、無理をすると死亡事故につながる可能性が一気に上昇します。

ここでいう「無理」とは、たとえば

・通れるスペース幅が明らかに狭いのに無理してすり抜ける

・カーブ区間や対向車線へのはみ出し

・高速度(根拠はありませんが、概ね車の流れより50キロ以上速い速度)でのすり抜け

などが挙げられます。

すり抜け走行をしたことで事故を起こし、死亡するのはほぼライダーです。バイクは生身で乗る乗り物であることを忘れず、決して無理なすり抜けはしないようにしてください。

・他の交通に配慮せよ

道路を走っていると、四輪車や他の二輪車、自転車、歩行者等たくさんの交通があります。道路はあなただけのものではありません。他の車を押しのけるようにホーンや空ぶかしで威嚇しながらのすり抜け、歩行者妨害等は論外です。進路変更したい車には譲り、左折したい車には左からすり抜けせず、歩行者が横断している時は横断が終わるまで待つ、というように他の交通に配慮してすり抜けをしてください。

・全方位に気を配れ

すり抜け中はちょっとした操作ミスや他車の動きが事故につながるリスクが飛躍的に増加します。事故を避けるためにも、漫然とすり抜けするのではなく、ミラー、自分の耳、目視を駆使して全方位に注意してください。

・ノーウインカーで急な車線変更をする車

 ・突然ハザードを出し止まるタクシー

・真横から車線変更しようとする車

・突然左から車線間に割り込むバイク

等々、様々なリスクが考えられます。これらに対処するために注意してください。

・黄色線でのすり抜けはしない

 これは特に都内を含めた首都圏で言えることなのですが、黄色線でのすり抜けをすると取り締まりの対象となります(筆者も一度これで取り締まりを受けたことがあります)。たまたまそこに警察がいた場合、高確率で止められ違反切符を交付されます。

 

 

4.すり抜け走行のコツ(全般)

すり抜け走行のコツ全般について、4点解説します。

・車幅を把握せよ

最も重要です。すり抜けをする際には、自分のバイク+装備の車幅を把握すること、そしてすり抜けラインを目測してすり抜けできるかを見極めることが必要不可欠なためです。車幅を把握するためには、実際に渋滞をすり抜けて練習するか、路側帯にバイクを停めて幅を把握したりする方法があります。注意してほしいのは、張り出したミラーやパニアケースです。目測ではいけると思っても、実際にすり抜けてみると幅が狭く、ミラーにヒットした...なんてことになりかねません。これらの装備が付いたバイクに乗る場合は、すり抜けは控えめにしてください。

・四輪車のミラーに注意

四輪車のミラーの位置は車によってまちまちです。顕著なのは、トラックやハイエースのミラーの位置の高さです。この点を意識しないと、「ある車の横は無事に抜けられたが別の車のミラーにヒットしてしまった」ということが起きるかもしれません。慣れるまでは低速かつ慎重にすり抜けすることをお勧めします。

・メリハリをつけよ

高速道路などでたまに見るのですが、車線間にまたがって走ってすり抜けするかしないかわからないバイクがいます。正直四輪車のドライバーから見るとうざったいし、他のバイクから見てもすり抜けラインがふさがれるので面倒です。初心者だと難しいかもしれませんが、車幅を把握して、行けそうなら行く。行けなさそうなら行かずに元の位置に戻る。というふうにメリハリをつけるようにしましょう。

・前方注視

安全にすり抜けをするためには、前方注視は不可欠です。車線変更する車、路駐している車、客を乗せるために停止したタクシー、前方の車線規制や道路工事等、様々な条件に応じて周囲の交通の挙動が変化します。これに素早く対応するため、前述した「全方位に気を配る」ことに加え、特に前方を注視してください。

5. 一般道路のすり抜け

後日執筆予定です。

 

6. 高速道路のすり抜け

ここでは、高速道路を利用するライダーが多い休日に絞って解説します。休日の高速道路の渋滞の特徴としては、

・道幅が広い(すなわち、車線間のすり抜けラインも広くなる場合が多い)

・渋滞長が長い

サンデードライバーが多い

といったものが挙げられます。これを踏まえた攻略方法を以下3点解説します。

・路肩走行は厳禁

高速道路では路肩(厳密には路側帯の外側)の走行は禁止されており、取り締まりの対象となります(筆者も取り締まりを受けている風景を見たことがあります)。そのため、すり抜け時は車線間をすり抜けるようにしてください。

・周囲の車に存在をアピールする

サンデードライバーが多く渋滞長も長いことが多いため、四輪のドライバーも漫然と運転しているケースがよくあります。すり抜けするバイクがいないだろうと思ってハンドル動作をする車も少なくありません。さらに、夜になるとドライバーから見たすり抜けをするバイクに対する後方視認性はさらに低下し、ヘッドライト程度になります。存在をアピールし事故を防止するため、ハザードランプが装着されているバイクの場合はハザードランプを点灯したり、迷惑にならない範囲でハイビームを点灯するなどして存在をアピールすることをお勧めします。

・急な車線変更や幅寄せに注意

サンデードライバーは普段車に乗りなれていない者が多く、またファミリーカーに乗る家族の子供がSAの500m手前で「トイレに行きたい」と言ったために急な車線変更をする場合があります。そのため、普段よりも周囲の車の動きに注意してすり抜けをしてください。

特に注意すべきなのは、SA/PA/IC/JCTの後方2km(案内標識が出てから)、前方1kmです。経験上この区間では車線変更が多いため、急に車が車線変更しても対処できる速度ですり抜けをするようにしてください。

 

7. 通勤時のすり抜け

 後日執筆予定です。 

 

 

 

 

 

大型店と商店街の問題、解決策はあるのか

 度々ニュースで目にする記事がある。それは「地方都市に大型店が進出し、客がそちらに流れて商店街の店舗が店じまいをすることになった」というものだ。

 

 私自身地方出身であるから、駅前の中心商店街がシャッター通りと化する一方で郊外の大型店舗は車で一杯、お客さんもたくさん、という状況は幾度も目にしてきた。ただ、これは利用者(=お客さん)の立場からすると当然の結果である。それはなぜか?

・大型店の方が便利だから

この一言に要約される。具体的には、

  1. 値段が安い
  2. 営業時間が長い
  3. 駐車場がある
  4. 接客が良い 

以上4点である。以下、それぞれの特徴を箇条書きで述べる。

1.について

商店街:定価販売が基本

大型店:定価より安い。しかもサービスデーも多い

 

2.について

商店街:18時で閉まる、遅くても20時までが多い

大型店:早い所でも21時位まではやっている

 

3.について

商店街:駐車場がないか、あっても提携駐車場で入るのが面倒だったり有料だったりする

大型店:基本的に駐車場完備で無料。有料の所もあるが一定額以上の買物をすれば無料になる

 

4.について

商店街:当たり外れあり。良いところはフレンドリーだったり、サービスしてくれたりするが、悪いところは目も当てられない

大型店:当たり外れ少ない。丁寧な接客

 

 このように列挙してみると、商店街が勝てる要素は皆無に等しい。だから、客は大型店に流れ、商店街は衰退する一方だ。

この状況を「当然の結果」と述べたが、これによる弊害もある。

  1. 買い物難民が出現する
  2. 商店街で働く人が職を失う
  3. 駅前の見栄えが悪くなる

 それぞれ解説する。

 1.についてだが、大型店は自動車利用が前提だ。すなわち、自動車を持たない利用者(高齢者や学生等)は近所に住んでいない限り、自転車や徒歩で郊外まで時間と労力をかけて行くしかない。しかし、自転車や徒歩でもアクセスの良い店はほとんど閉業している。となると、買い物をする店舗への移動手段がなくなる。こうして買い物難民が出現する。これは中心市街地の空洞化にもつながる。

私も北日本の地方都市で学生生活を送っていた頃、移動手段が自転車しかなく最寄りのイオンまで30分近くかけて移動せざるを得ず、大変不便であったのを思い出す。

この問題への対処として、事業者によるが無料の買い物バスを出したり、移動販売車を出したり、ネットスーパー(通販)のサービスを実施している。

 

 2.についてだが、商店街の店舗は売上が減り、店じまいをすることになる。結果、商店街で働く人は失業する。結果的に、失業者があふれるような事態になると考える人もいるかもしれない。

しかし、実際には大型店が受け皿となり、その分の雇用をカバーする。場合によっては、商店街の店舗が大型店のテナントとなるケースもある。

 

 3.についてだが、自動車利用では不便で大型店の進出余地の少ない駅前商店街の利用者は減り、結果的にシャッター商店街となる。そうなると、駅前はさながらゴーストタウンのように昼間でも歩く人がまばらな状況になり、見栄えが悪くなる。こうなると、外部から訪れた人の印象に影響してしまう。

大型店の進出に反対する人の意見として、これを挙げる人も少なくないのではなかろうか。

この対策として、行政では歩道をカラフルにしたり、行政施設と一体となった新たな商業施設を建設したり、商店街とタイアップしてゆるキャラを作ったりしているが、本質的な対処になっていないため、うまくいっていないケースが多い。現実的な対処方法としては、外部利用者(出張で来た人、観光客等)向けに特化するしかないと思われる。

・結局、どうするのが解決策なのか?

 大型店をメインとし、これの補完として買い物弱者向けの店舗(まいばすけっとのような小型店)を商店街に設置したり、ネットスーパーを導入することが現実的には最も良い方法であると考えられる。商店街の役割は、商店街が持つ地域密着性と小回りの効く接客を活かして大型店にはない価値(徒歩で行ける、地域コミュニティの一部としての機能、ニッチなニーズに特化等)を提供することとなる。

 たとえば、北海道帯広市にある「北の屋台」が挙げられる(商店街とは少し違うが)。ここは上記の「大型店にはない価値」を上手に取り入れた例だと思う。

こういった努力をせずに闇雲に大型店の出店を抑止すると、今度は生活が不便になる。大型店とは少し違うが、私の実体験を述べる。

数年前住んでいた某団地では、19時で閉まる上に競争がなく品物の値段が高いスーパーと幾つかの個人経営のレストラン、薬局程度しか団地内の商店街になかった。かといって団地外の店舗に出ようとすると、坂道を2kmほど移動しなければならず、不便である。ゆえに生活不便度が上がるのである。

 

 早くからモーターリゼーションが進み、郊外大型店の先駆けとなったアメリカでは、地域の条例により大型店の出店を禁止した地域がある。しかし、このような規制は結果的に生活を不便にし、地域の魅力を下げているだけではないだろうか?

ゆえに、上記のように大型店舗を積極的に誘致する一方、商店街が持つ地域密着性と小回りの効く接客を活かし、上記のような大型店にはない価値を提供することが現実的な解決策ではなかろうか。

なぜ大阪の規制標識は老朽化して見た目が汚いものが多いのか

大阪府内の道路を走っていると、他府県の道路と比較してやたらと錆びていたり、退色している規制標識が多いように感じる。特に他府県から転勤してきて、車をよく運転する方であれば理解していただけると思う。

わかりやすい例として、Googleストリートビューから引用した実際の写真を掲載する。

 f:id:whistlex:20190326014930j:plainf:id:whistlex:20190326015633j:plainf:id:whistlex:20190326020630j:plain
(1)左の画像:大阪市淀川区。かなり老朽化しているが、大阪府内では珍しくない。

(2)中央の画像:守口市。鉄板製かつ防錆塗装がなされていないため裏側が錆びているが、この程度の錆び具合は大阪府内の鉄板製標識の中では平均的なレベル。

(3)右の画像:大阪府阪南市。設置後15年程度でこの有様である*1

 

このように、老朽化した規制標識が他府県と比べて明らかに多く、景観上も好ましくない。個人的には、「大阪は汚い」というイメージに拍車がかかる原因になっているほどではないかと思う。

色あせた程度の規制標識は他府県でも珍しくないが、大阪府の場合はその数が他府県の追随を許さず、さらに錆と著しい変色を呈しているものも少なくない。

では、なぜ大阪府内の規制標識で老朽化したものが多いのだろうか。原因は以下2点であると考えられる。

  • 予算が少なく交換が追い付かない

大阪府の場合、予算が少なく交換しようにも交換費用を確保できないケースが多いと推測される。この要因には社会福祉費用が高額なことや税収の減少といったものが考えられる。

対して予算が潤沢な東京都では標識の交換ペースが10~15年と早く、老朽化する前に交換されることがほとんどであるため、老朽化した標識はほとんど見かけない。

  • 老朽化しやすい材質の標識が数多く残っている

大阪府公安委員会は、2003年まで画像(1)、(2)のような鉄板製の標識を新設していた。鉄板製標識は初期費用が安く済む分、錆びやすいという欠点がある。他府県では概ね1970年代中頃にアルミ製に切り替わり、切り替えの遅かった地域でも平成初期までにはアルミ製に切り替わっていたことを考えると、何か利権が絡んでいたのではないかと勘ぐってしまうほどの遅さである。

また、反射材の材質も数年前*2までは退色しやすい封入レンズを使用していた。画像(3)の標識は、この封入レンズを使用したものである。

 

これらの事情から、大阪府内の規制標識は「錆びやすく、短期間で退色ないし変色する」という特性があった。このことから、画像(3)のように短期間で見た目がみすぼらしくなるケースも多く、そこに予算の少なさによる交換周期の長さが輪をかけて、老朽化した標識が非常に多くなったと考えられる。

 

老朽化して見た目が汚くなった標識は景観上好ましくない。6年後に万博を控えた今、大阪府公安委員会にはこうした標識は早急に交換するよう努めてもらいたいと思う。

 

参考文献

・「道路標識調査ノート」(http://roadsign.sunnyday.jp/

*1:この標識が設置されている道路(第二阪和国道)の開通が2003年4月であることから、その際に設置された標識であると考えられる

*2:具体的な切り替え時期は不明だが、標識版裏の設置時期を見る限りは2015年頃か